「つつが虫病」に注意 10〜11月に多発 死亡するケースも

だにの一種、ツツガムシの幼虫に刺されることで感染し、死亡するケースもある「つつが虫病」が例年、この時期に多く発生することから群馬県は、農作業や森林での作業の際には長袖・長ズボンで行うことなど、十分注意するように呼びかけています。

「つつが虫病」を発生させるツツガムシの幼虫は、山林や河川敷などの草地や耕作地に生息する体長0.2ミリほどの虫です。
病原体を持っていた場合に皮膚を刺されることで感染し、5日から14日ほどあとに発熱やリンパ節が腫れること、さらに発しんなどの症状が現れるのが特徴で、治療が遅れると致死率が高くなるといいます。
実際に死亡するケースも起きていて、ことし6月に青森県で80代の女性が、去年12月には千葉県で70代の男性が死亡しています。
県衛生環境研究所によりますと、県内での発生は毎年10人から20人ほどで、例年10月から11月が最も多く、地域では、吾妻や利根沼田が多いということです。
県は、農作業や森林での作業などの際には長袖・長ズボンで帽子や手袋を着用し首にタオルを巻くなど肌を露出しないこと、シャツの袖口を手袋の中に、すそはズボンの中に入れること、さらに防虫スプレーを使うことなどの対策をして十分注意するように呼びかけています。

「つつが虫病」を防ぐためには、このほかにも有効な対策があります。
ズボンのすそを靴下の中に入れること、草の上に腰を下ろしたり寝転んだりしないことが大切です。
また、作業中に脱いだ上着やタオルなどを草の上に直接置かないこと。
これは、衣類にツツガムシが付着する可能性があるためです。
そして、野外で作業をして帰宅後は着ていた服をすぐに脱ぎ、シャワーで洗い流すことも重要です。
県衛生環境研究所感染制御センターの吉住正和主席研究員は「ツツガムシの卵がふ化し、幼虫となるのが今の時期なので特に注意が必要だ。症状が出たら医療機関を受診し山林などに立ち入ったことを医師に伝えてほしい」と話していました。