過労・パワハラ死防止でシンポ 遺族“防ぐことできる問題”

過労やパワハラなどが原因で亡くなることを防ごうと、高崎市で10日、シンポジウムが開かれ、仕事上の強いストレスが原因で自殺した男性の母親が「過労死や過労自殺は誰にでも、どの企業にも起こりうるもので防ぐことができる問題だ」と訴えました。

このシンポジウムは、今月の過労死等防止啓発月間にあわせて厚生労働省が開き、高崎市の会場には、およそ120人が集まりました。
この中では、ハラスメントが起きやすい企業の特徴について専門家が講演でノルマや業務量が多いなど仕事の要求度が高いことや、働く人にタフさを求めることなどをあげ、対策の重要性を強調しました。
このあと、長野県の精密機器メーカーで働いていた当時に自殺をし、仕事上の強いストレスが原因だったとして労災が認められた吉田午郎さん(当時34)の母親の惠美子さんが講演を行いました。
この中で吉田さんは「たとえ本人が過重労働という認識を持たずに周囲に相談をしないとしても、上司や会社には業務の状況から負担を把握して問題を解決する責任があると思う。過労死や過労自殺は誰にでも、どの企業にも起こりうるもので防ぐことができる問題だ」と涙ながらに訴えました。
群馬労働局の津田惠史労働基準部長は取材に対して「『仕事よりも命』ということを忘れずに、自身や家族の働き方を見直すきっかけにしてほしい」と話していました。