人手不足の解消に向け 群馬 県内企業 賃上げの動きが広がる

人手不足の解消に向けて県内企業で賃上げの動きが広がりつつある中、前橋市の金属加工会社は、ことし、賃上げを2回行い、10月からは採用活動を本格化させています。

深刻化する人手不足について、信用調査会社の帝国データバンクがことし7月、県内企業に行った調査では、回答した50.6%が「正社員が不足していると感じている」と答えたということです。
こうした状況を受けて企業で賃上げを行う動きが広がりつつあり、このうち前橋市大渡町の金属加工会社は、ことし1月と4月の2回、賃上げを行ったということです。
90人ほどの社員が自動車の部品などの製造を行うこの会社では、新型コロナや半導体不足の影響で厳しい経営が続き、採用を控えざるを得ませんでした。
ただ、新型コロナの5類への移行などを受けて受注が回復したため、人手不足の解消に向けて賃上げを行ったといいます。
社員の1人は「物価高の中で子どもを育てているので、給料が上がることはうれしい」と話していました。
受注回復の一方、資材価格の高騰で、製品への価格転嫁が十分に出来ないことから、経営状況の厳しさは続いていますが、今月からは人材紹介会社を通じて募集を始めるなど、採用活動を本格化させています。
牧清彦社長は「社員に長く働いてほしいという気持ちで賃上げに踏み切った。将来を考えれば若手社員の確保が必要なので取り組みを進めていきたい」と話していました。