県内でアライグマの農作物被害が急増 自治体が対策に

外来種のアライグマによる県内の農作物の被害額が、昨年度は400万円余りと、3年前の3.5倍に急増し、各自治体が対策に追われる事態となっています。

北米原産のアライグマは、かつてペットとして大量に輸入されましたが、捨てられるなどして野生化し、全国各地で農作物を荒らしていることなどから、特定外来生物として駆除の対象になっています。
県によりますと、県内でもアライグマに畑の野菜や果物を荒らされるケースが相次いでいて、昨年度の被害額は、410万円余りと、3年前の3.5倍に急増しています。
このうち、伊勢崎市の萩原俊彦さんが家庭菜園をしている畑でも、3年ほど前から被害が出始め、おととしに赤外線カメラを設置したところ、3頭が畑の中を動き回る様子などが写っていました。
その後も被害は続き、ことしは、70本のトウモロコシのうち50本がアライグマに食べられたということです。
伊勢崎市では、地元の猟友会に依頼してわなの設置などを進め、今年度は上半期だけで昨年度1年間の134頭を上回る150頭を捕獲していますが、繁殖力の強さから被害が後を絶たない状況が続いています。
萩原さんは「住宅街で、これほど多くのアライグマが出ることに驚いています。家族のために大切に育てたものが食べられてしまい、とても残念です」と話していました。