公立小中学校の水泳授業 24校が外部委託 教員不足などで

公立の小中学校の水泳授業について、県内では24の学校がプールの老朽化や教員不足などのため、外部に委託していることが各自治体への取材でわかりました。
専門家は、プールの維持管理にかかる財政負担の軽減などメリットが大きいとする一方、移動時間などの課題の解消に取り組む必要性を指摘しています。

公立の小中学校の水泳授業について、NHKが県内の全35市町村に取材した結果、7つの市と町にある合わせて24の学校が外部に委託していることがわかりました。
具体的には、小学校が沼田市で5校、甘楽町で3校、藤岡市と千代田町でそれぞれ2校、富岡市で1校で、中学校が渋川市で9校、前橋市と沼田市でそれぞれ1校でした。
外部委託の主な理由として、各自治体は学校のプールが老朽化して維持管理が難しいことや、子どもたちを見守る教員が不足していることを挙げています。
これらの学校では、子どもたちは自治体が所有するプールでインストラクターに教わったり、民間のスイミングスクールでコーチから指導を受けたりしているということです。
水泳授業の外部委託について、教育行政学に詳しい千葉工業大学の福嶋尚子准教授は、自治体の財政負担が軽減され、子どもたちが専門的な指導を受けられるなどメリットが大きいとしています。
一方、中には往復1時間以上かけて外部のプールに行かざるをえないケースもあり、移動時間などの課題の解消に取り組む必要があると指摘しています。
福嶋准教授は「学校にはこれ以上の負荷をかけられず、こうした動きは広がっていくだろう」と話しています。