群馬県発注工事 32か所で規格外の側溝を取り付けか

群馬県が発注した道路工事をめぐり、32か所の側溝で内部の鉄筋の本数が少ないなど、県の規格を満たしていない疑いがあることがわかり、群馬県は、製造した安中市の建材メーカーに対し、規格に沿った側溝を取り付け直すよう求めることにしています。
県によりますと、安中市に本社を置く建材メーカー「磯貝建材」は、県に資料が残る2018年以降、県が発注した道路工事、あわせて36か所で側溝の製造を担当してきました。
このうち、高崎市や藤岡市などに設置された32か所の側溝で、内部の鉄筋の本数や太さが足りないなど、県の規格を満たしていない疑いがあることがわかったということです。
ことし2月、甘楽町での工事の際、規格と異なる側溝が見つかったため、県が調査を行ったところ、規格を満たしていない疑いがある側溝の区間はおよそ3キロに及ぶということです。
これまでに側溝が壊れるなどの被害は確認されていないということですが、県は現場のパトロールを強化することにしています。
また、県の聞き取りに対し、建材メーカーの社長は、「規格外の製品を作ったことは認めざるを得ない」などと話しているということです。
県は、コストを抑えるために鉄筋の本数を減らすなどしていたとみていて、工事の受注者を通じ、建材メーカーに対し、32か所の側溝を規格に沿ったものに取り付け直すよう求めることにしています。

側溝をめぐる問題について、山本知事は「この会社が製造した側溝は鉄筋の太さや本数が足りず、強度が不足している。万一、破損した場合、道路が陥没し、通行者などに被害が及ぶおそれもあり、極めて悪質だ。県民の安全にも関わることで、非常に深刻に受け止めている。二度とこういうことがないよう、県としてしっかりと対応していきたい」と話していました。

一方、NHKの取材に対し、建材メーカーの社長は「ことし3月に会社を買収して社長に就任したが、前の社長からは規格を満たしていない側溝の製造に関する話は一切聞いていなかった。このような側溝が作られていたことを私が知ったのは買収の翌日のことで、非常に驚いた。現在、前の社長とは連絡がつかなくなっている」と話していました。
そのうえで、「買収して以降、会社では規格を満たしていない商品は作っていないと断言できる。元請け会社からの指示に従い、取り付けをし直していきたい」と話しています。