南牧村の高齢者福祉施設 虐待疑いで「聴聞」前に廃止届

南牧村の高齢者福祉施設で、職員が入居者に虐待していた疑いがあるとして、村が先月、施設に対して立ち入り調査を行っていたことが村への取材でわかりました。
しかし、施設側が立ち入り調査後に施設を廃止する手続きを取り、村が行政処分の判断を出すことができない異例の事態となっています。

南牧村によりますと、村内にある高齢者福祉施設で、一部の職員が入居者に虐待していた疑いがあるとして、村が先月中旬、介護保険法に基づき、立ち入り調査を行いました。
村は、施設側に対して、言い分を聞く「聴聞」の場で説明するよう求めていましたが、施設側は今月下旬の期限までに回答しないまま、職員不足を理由に廃止届を村に提出したということです。
このため、施設は31日で廃止となり、村は行政処分の判断を出すことができなくなりました。
県によりますと、立ち入り調査から聴聞までの間に施設の廃止届を出すと、その後5年間は同じようなサービスの介護保険事業所の指定や更新を受けられなくなりますが、実際に廃止届を出した例はほとんどないということです。