19歳以下自殺者増 休み明けは心が不安定 注意を

県内で去年1年間にみずから命を絶った19歳以下の人は10人と、前の年より3人増え、特に新学期が始まる時期は自殺が増える傾向にあることから、県が注意を呼びかけています。

県などによりますと、県内で去年1年間にみずから命を絶った19歳以下の人は10人と、前の年より3人増えました。
この年代の自殺者の数は、コロナ禍の3年前に、この10年で最も多い13人に急増した後、おととしは7人に減少しましたが、再び増加しました。
全国的な傾向では、小中学生や高校生の中には、長期休暇が明けて新学期が始まる時期に心の状態が不安定になり、みずから命を絶つケースが増えることがあります。
このため、県は先月に自殺予防教育の充実に向けた検討委員会を開き、24日には、自殺を防ぐための子どもへの接し方などをまとめた文書を学校に配布するなど教育現場への対策を進めています。
また、毎週日曜日に開いている高校生や一部の地域の中学生を対象にしたLINEによるオンライン相談を25日から来月3日まで毎日開き、子どもたちの声に寄り添うことにしています。
県教育委員会は「どんなことでも何か不安などがあれば気軽に相談してほしい」と話しています。

群馬県は、来年度からの5年間を対象とする自殺対策の計画の骨子案を示し、人口10万人あたりの自殺死亡率を下げ、14.9人以下にすることを目指すとしています。
県によりますと、県内の去年の自殺者は346人で、人口10万人あたりの自殺死亡率は18.7人と、全国平均の17.4人を1.3人上回っています。
こうした中、県は来年度から5年間を対象にした自殺対策の行動計画の骨子案を示し、2028年度までに自殺死亡率を14.9人以下とすることを目指すとしています。
一方、去年の県内の自殺者のうち、男性は229人で、特に40代から60代の男性が多いということです。
また、2020年からは全国的にも女性の自殺者の数が増加していて、県では新型コロナによる影響があるとみています。
そのため、計画には、中高年の男性が周囲に支援を求めやすい体制づくりや、コロナ禍の影響などについて分析を踏まえた上での対策を盛り込んでいくことにしています。
県では骨子案をもとに、自殺対策を検討する協議会で検討を続け、来年3月に計画をとりまとめたいとしています。