「フィッシング被害」半年間で過去最多 群馬銀行で偽サイトも

金融機関の偽サイトからインターネットバンキングのIDなどを盗み取られる「フィッシング」の被害に遭い、預金を不正送金されたケースは、県内で、ことし上半期だけで年間の過去最多となる28件確認されました。
警察は、メールやSNSで送られてきたURLにアクセスしないようにするなど、対策の徹底を呼びかけています。

フィッシングは、金融機関をかたるショートメールを送りつけて偽サイトに誘導し、ネットバンキングのIDやパスワードなどを入力させて盗む手口で、犯人は盗んだ情報を使って預金を別の口座に送金します。
警察によりますと、県内で、フィッシング被害に遭って預金を不正送金されたケースは、ことし6月末までの半年間に28件確認され、被害総額は4800万円あまりにのぼっています。
これは県内の年間の被害数として最も多かった2015年の24件をすでに上回り、過去最多となっています。
警察は、メールやSNSで送られてきたURLに安易にアクセスしたり口座情報を不用意に入力したりせず、金融機関の専用アプリからネットバンキングを利用するなど対策の徹底を呼びかけています。

インターネットバンキングの偽サイトは群馬銀行でも確認されています。
群馬銀行によりますと、先月3日、銀行のネットバンキングのログイン画面に似せた偽サイトがネット上で見つかりました。
偽サイトは、公式画面のデザインなどをコピーしたもので、URLは本物と一部の文字が異なっていて、銀行では、確認後すぐに警察と連携して削除させたということです。
この偽サイトによって、顧客の情報が盗まれたり、預金が不正送金されたりする被害はなかったということです。
銀行は、顧客に対して、電子メールなどでログイン画面のURLを送ったり暗証番号などの情報を尋ねたりすることはなく、こうしたメールなどを受け取った場合は無視するよう呼びかけています。
群馬銀行システムリスク管理室の深澤秀之室長は「怪しいメールを見かけたり誤って個人情報を入力してしまったりした際はすぐに金融機関に連絡してほしい」と話しています。