熱中症の疑いで救急搬送 7月は734人 過去2番目の多さ

先月、群馬県内で熱中症の疑いで救急搬送された人は734人にのぼり、7月の1か月間の搬送者数としては、県にデータが残る2014年以降、過去2番目に多くなりました。

県内では先月、前橋市で35度以上の猛暑日が、月のほぼ半分の15日にのぼるなど、連日、県内各地で猛烈な暑さとなりました。
県によりますと、県内では先月1か月間に熱中症の疑いで救急搬送された人は速報値で734人でした。
これは去年の同じ月と比べ、200人以上多く、7月の1か月間の搬送者数としては、県にデータが残る2014年以降では2018年に次いで過去2番目に多かったということです。
また、搬送者を年代別でみると、65歳以上の高齢者が404人で、全体の半分以上を占めています。
このうち、太田市では90歳の女性が熱中症とみられる症状で亡くなっています。
また、3週間以上の入院が必要な「重症」が34人、3週間未満の入院が必要な「中等症」が348人、入院を必要としない「軽症」が351人でした。
県は引き続き、冷房を適切に利用し、こまめな水分補給を行うなど、熱中症対策をとるよう呼びかけています。
【熱中症 救急の現場では 具体的な対策は】。
伊勢崎市と玉村町を管轄する伊勢崎市消防本部では先月、熱中症の疑いで救急搬送された人は80人で、去年の同じ月と比べて2倍以上に増えています。
暑さが厳しい日などは、熱中症が疑われる救急要請で救急車のほとんどが出動している時間帯もあるということです。
伊勢崎市消防本部によりますと、熱中症の疑いで搬送される人の多くが、頭痛や体のだるさ、めまいなどの症状を訴えているといいます。
そして、熱中症の症状が出た際の対応については、水分補給をしたうえで、冷房や扇風機を使うだけでなく、保冷剤などを首の後ろや脇、太ももの付け根にあてて体温を冷やすことも重要だとしています。
また、外出していて、こうした対応ができないときは、日陰に移動し、ぬらしたタオルやうちわを使うなどして症状の悪化を防ぐ対策をとってほしいとしています。
伊勢崎市消防本部の吉田光救急課長補佐は「十分な睡眠や食事をとることも対策になる。特に高齢者では水分や栄養の補給を怠って熱中症になることがあるので、周囲が声をかけることが重要だ」と述べたうえで、「症状が出たら我慢せず119番通報してほしい」と呼びかけています。