群馬 高崎 こども園のバスに2歳園児10分間置き去り

今月上旬、午前の気温が32度を超えていた高崎市で、認定こども園のバスの車内に2歳の園児がおよそ10分間、置き去りにされていたことが高崎市への取材でわかりました。

高崎市によりますと、置き去りにされていたのは高崎市の認定こども園に通う2歳の女の子です。
この園児は今月7日の午前11時ごろ、歯科検診のためほかの9人の園児とともに、こども園のバスで病院を訪れていたということです。
園児たちがバスを降りる際には、乗っていた3人の職員のうち1人が人数の確認をしていました。
ただ、この職員には受診する園児の数が当初の予定より1人増えていたことが共有されず2歳の園児が降りていないことに気付けなかったとしています。
そして、およそ10分後、病院の中で受診する園児の名前を確認する中で人数が足りないことに気付き、駐車場に停車していたバスに戻り泣いていた園児を見つけたということです。
園児の体調にはその後も異常はなかったということです。
前橋地方気象台によりますと、この日の午前11時時点の高崎市の気温は、32.8度ありました。
こども園は、その2日後の9日に高崎市に報告を行い、今月11日に保護者総会を開いて説明と謝罪を行ったということで、園長は取材に対して「園児や保護者のみなさまに申し訳なく思っている。今後は職員どうしの連絡の徹底や運行マニュアルの見直しなどを行い再発防止に努めていきたい」と話していました。

今回の置き去りを受けて高崎市はこの認定こども園に対して再発防止の徹底と安全対策マニュアルの周知・徹底、そして、バスに置き去りを防ぐための安全装置の設置を検討するよう口頭で指導したということです。
また、市内のすべての保育園やこども園などに対して18日付けで、安全管理を徹底するよう周知したということです。
置き去りを防ぐバスの安全装置は去年9月、静岡県で3歳の女の子が通園バスの車内に取り残され熱中症で死亡した事件を受けて、国がことし4月から幼稚園や保育所などの送迎バスに設置を義務づけています。
ただ、高崎市によりますと今回、園児を置き去りにしたこども園はバスを送迎に使わず園外での活動の際に限って使っていたため、安全装置の設置が義務づけられていないということです。