上半期1000万円以上負債倒産企業59社 過去10年で最多

県内でことしの上半期に、1000万円以上の負債を抱えて倒産した企業は59社で、この10年間で最も多くなりました。
調査会社は、新型コロナの影響を受けた中小企業を支援するためのいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が今月から本格化することなどから、下半期も倒産が増える可能性があるとしています。

民間の信用調査会社の東京商工リサーチによりますと、県内で、ことし上半期に1000万円以上の負債を抱えて倒産した企業は、去年の同じ時期より19社増えて59社となり、この10年間で最も多くなりました。
また、去年の上半期も倒産件数が前の年の同じ時期を上回っていて、2年連続での増加は、1996年以来27年ぶりとなります。
業種別では、「サービス業ほか」が20社と最も多く、「建設業」が15社、「製造業」が9社などとなっています。
今月からは、コロナの影響を受けた中小企業が実質的に無利子・無担保で融資を受けられるいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化し、資金繰りに苦しむ企業が増えて倒産件数が急増するおそれも指摘されています。
東京商工リサーチ前橋支店は「『ゼロゼロ融資』の返済が本格化する上、物価高や人手不足などが追い打ちをかけ、下半期も中小企業などが経営再建を断念して倒産する可能性がある」と話しています。
中小企業を中心に倒産が増加している背景について、東京商工リサーチ前橋支店の日下圭支店長は「『ゼロゼロ融資』の返済開始がピークを迎えている上、原材料や光熱費などが高騰し、価格転嫁との板挟みになる企業が出てきている」と指摘しています。
その上でことしの下半期について、「物価高や人手不足はすぐには解決できない課題である。力のある企業とそうでない企業に二極化し、疲弊している企業を中心に倒産は今後も増勢をたどる可能性が高い」と分析しています。