「路線価」 群馬県内の平均 31年連続で下落

相続税などを計算する際の基準となる土地の価格、路線価が3日公表され、群馬県内の平均は31年連続で下落しました。

路線価は、国税庁が1月1日の時点で算定した、主な道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額で、相続税や贈与税を計算する基準になります。
3日公表されたことしの路線価は、県内のおよそ4600か所が調査対象で、その平均は去年より0.7%下がり、31年連続で下落しました。
路線価が最も高かったのは、JR高崎駅西口の高崎市八島町の「市道高崎駅・連雀町線」で、4年連続同じの46万円でした。
調査にあたった不動産鑑定士の吉澤雅己さんは、新型コロナの影響で近隣の商業施設の集客力が低下した一方で、通行量は増加傾向だとして「不動産需要は底堅い」と分析しています。
また中心市街地の再開発計画が進む前橋市本町の「本町通り」は、10年連続で同じの13万円でした。
全国の都道府県庁の所在地で路線価が最も高い土地では、秋田市とならび全国45位です。
さらに草津町の「湯畑前」は、3年連続で同じの9万9000円でした。
一方、下落した土地の中では富岡市富岡の「宮本町通り」はテナント需要が落ち込み、桐生市末広町の「末広町通り」は商業地域の郊外への分散化で店舗の需要が少ないなどとして、いずれも4年連続の下落となりました。
不動産鑑定士の吉澤雅己さんは「新型コロナの5類移行により県内の商業地などでは人流が戻りつつある。住宅地でも利便性の高い地域では需要が高く、今後は上昇が見込まれる地点が増えるのではないか」と話しています。