高崎市 「生成AI」を業務で試験導入し運用始める

文章などを自動的に作り出す「ChatGPT」などの「生成AI」を活用し、業務の効率化を図ろうと、高崎市では複数の部署で試験的な運用が始まっています。

「ChatGPT」をはじめとする「生成AI」は、インターネット上の大量のデータを学習し、自動で文章や画像を生成することができます。
高崎市では、業務の効率化を図るため、先月末から「ChatGPT」の試験的な運用を始めていて、27の課の合わせて28人の職員が利用しています。
それぞれの課では、文章のたたき台の作成や要約のほか、企画のアイデア出しなど、さまざまな用途での利用を試しているということです。
一方、生成AIをめぐっては、情報漏えいやプライバシーの侵害などのリスクも懸念されています。
そのため高崎市では、個人情報や機密情報の入力は禁止するほか、作られた文章やキャッチコピーなどは、著作権の侵害にあたらないか確認してから使用するよう職員に周知しているということです。
試験運用の期間はことし9月末までで、今後、利用している職員に、業務に応用できるかなどを聞き取った上で、本格的に導入するか決めることにしています。
高崎市情報政策課の寺田辰也主任主事は「安全に使うためのノウハウを今回の試験運用で得て、業務の効率化を行い、市民サービスの向上につなげたい」と話していました。
また、実際に「ChatGPT」を利用して、通知文を作成している介護保険課の宮本一生主事は「最初は使い方に戸惑いもあったが、実際に使用してみると、今まで数時間かかっていた文書作成もすぐにでき、時間の短縮ができて驚いた。今後は文書作成以外にも活用していきたい」と話していました。

高崎市以外の県内34の自治体に対し、NHKが「ChatGPT」など、「生成AI」の導入の意向について取材したところ、藤岡市と大泉町がすでに試験運用を始めているほか、13の自治体が導入について「検討中」だと回答しています。
このうち、藤岡市はことし4月から「ChatGPT」の試験的な運用をはじめ、来月からは本格的に導入する意向を示しています。
具体的には、特産品のPRのためのアイデア出しや、会議資料の参考事例の収集、あいさつ文などの文章案の作成などに活用していくということです。
一方で、回答の正確性などはリスクも懸念されているとして、校閲してからの使用を徹底し、あくまでも補助的な役割にとどめるとしています。
また、大泉町では今月19日から「ChatGPT」の試験運用を始めていて、およそ20人の職員が利用しているということです。
そして、ことし10月上旬をめどに、課題点や有効に活用できたケースなどをまとめた上で本格的に導入するか検討を行うことにしています。
一方、19の自治体は導入に向けてまだ具体的な検討をしておらず、「情報の正確性に疑問がある」や、「どのようなトラブルが起こるか把握しきれない」など、リスクを懸念する声が聞かれました。
また、今後、導入するかについては「国の方針に従いたい」や、「ほかの自治体の事例を参考にする」などとしています。