「感染性胃腸炎」増加傾向 手洗いやうがいなど感染対策徹底を

通常は冬場に流行しやすい「感染性胃腸炎」の患者が群馬県内で増加傾向になっていて、専門家は、アルコール消毒だけに頼らず、手洗いやうがいなどの感染対策を徹底するよう呼びかけています。

「感染性胃腸炎」は、ウイルスや細菌が原因となり、おう吐や下痢などの症状が出るもので、ウイルス性のものではノロウイルスやロタウイルスなどが知られています。
通常は冬場を中心に流行するとされていますが、県によりますと、今月4日までの1週間に県内54の小児科から報告された「感染性胃腸炎」の患者数は1医療機関あたり6.59人で、先月8日以降、4週連続で増加しています。
また、10人以上の感染者が出た「集団発生」の事例は、県内でことしに入り、30件起きていて、その多くは幼稚園や保育園などの子どもが通う施設です。
専門家は、コロナ禍で子どもたちの免疫力が低下していることや、新型コロナ対策として普及したアルコール消毒がノロウイルスなどウイルス性の感染性胃腸炎への対策として不十分であることなどが背景にあると指摘しています。
羽鳥こども医院の羽鳥則夫理事長は、「『アルコール消毒をしているから十分だ』という感覚があるかもしれないが、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎は新型コロナなどと違い、あまり効果がないことを注意し、手洗いやうがい、せきエチケットなど、今まで通りの感染予防策を心がけてほしい」と呼びかけています。