大型連休 群馬県内の温泉地宿泊客 全体で15%増も明暗

ことしの大型連休に県内9つの温泉地に宿泊した客は去年より全体で15%あまり増えたものの3つの温泉地では減少し、明暗が分かれた形となりました。

群馬県は、先月29日から今月7日までの大型連休の9日間に、県内の主な温泉地に宿泊した客と観光施設を訪れた人を調査しました。
この中で県内9つの温泉地に宿泊した客は全体では1日平均1万7387人で、去年より15.8%増えました。
このうち草津温泉で45.6%増えたほか、万座温泉で16.1%、老神温泉で11.4%、四万温泉で10.6%、伊香保温泉で4%、それぞれ増えました。
猿ヶ京温泉は去年と変わりませんでした。
一方、減少したのは、やぶ塚温泉で66.7%、磯部温泉で11.2%、水上温泉郷で7.5%減り、各地の温泉地で明暗が分かれた形となりました。
県によりますと、新型コロナの感染拡大を受けて旅行の中心が団体から個人に移っているため宿泊施設の中にはリノベーションなどで客室数を減らす動きも出ているということです。
県観光魅力創出課は「旅の付加価値を高めることで1人あたりの消費額を増やそうとする動きも出てきている。ブランド化を進めたり新たなコンテンツを売り出したりして県内の観光地を後押ししていきたい」としています。

大型連休中に県内33か所の観光施設を訪れた人はあわせて88万6553人で、1日平均9万8506人でした。
これは、去年に比べて18%増えました。
このうち、館林市の「つつじが岡公園」では2.45倍あまりに増えたほか、吉岡町の「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」でも2.29倍あまりに増えました。
ただ、新型コロナの感染拡大前の4年前と比べると、全体では78.3%にとどまっています。

大型連休の宿泊客数が去年より減った水上温泉郷の旅館の1つは、施設の新築や改築、そして、新築に合わせた宿泊プランの見直しなど、客足を戻すための反転攻勢に乗り出しています。
水上温泉郷のこの旅館にことしの大型連休に宿泊した客は3800人ほどで、去年より200人ほど減り、コロナ禍前の2019年と比べても400人ほど減ったということです。
その要因の1つとして旅館は、草津の「湯畑」や伊香保の「石段街」のようなシンボルがないことに加え、草津や伊香保などと比較し、メディアへの露出が減っていることをあげています。
こうした状況を受けて旅館そのものの魅力を高めるための取り組みをすでに始めていて、安土桃山時代の建築様式をモチーフにしたという施設を今月中にオープンさせるほか、バイキング形式の夕食の食事会場も改装して利用しやすくしました。
また、施設の新築に合わせて長期滞在の客も取り込もうと、素泊まりの宿泊プランも初めて設定するなど反転攻勢を図っているということです。
「源泉湯の宿松乃井」の戸澤千秋社長は「コロナ禍を受けて『団体客から個人客へ』という変化を感じています。この旅館を目的に来ていただき楽しんでもらえるように努力していきたい」と話していました。