県内でも中古車価格値下げの動き 新車の半導体不足落ち着き
世界的な半導体不足などで高騰が続いていた中古車の平均取引価格が、新車の生産の回復に伴って下がり始め、県内でも中古車を値下げする動きが出ています。
中古車をめぐっては、コロナ禍での世界的な半導体不足の影響を受けて自動車メーカー各社が減産を行った結果、下取りにまわる車が品不足となって価格の高騰が続いていました。
中古車オークションの運営会社で最大手のUSSによりますと、この会社が取り引きを仲介した業者間の平均落札価格は、コロナ禍前は1台あたり平均で60万円から70万円ほどでしたが、去年に入ると100万円を超えるようになり、9月には2000年以降で最高値となる122万1000円をつけていました。
その後、半導体不足も落ち着き始めて新車の生産が回復傾向となったことで中古車市場も改善に向かい、平均落札価格は、ことし2月に2年9か月ぶりに前年比でマイナスに転じ、先月も1台あたり89万8000円と前の年を下回りました。
こうした状況を受けて、県内でも中古車を値下げする動きが出ていて、安中市の中古車販売店では、去年の夏ごろはおよそ150万円だった国内メーカーのコンパクトカーが、18日は130万円ほどで販売されていました。
一方、原材料の高騰を受けて、先月から今月にかけて、自動車メーカーの間で新車の値上げの発表が相次いでいて、こうした動きが広がると、中古車の価格が高い水準で続く可能性もあり、車を買うタイミングの見極めが難しい状況は当面続くとみられています。
中古車販売店の椛澤英樹常務執行役員は「安くなった車を買い求める客が増えていて、ありがたいと思っている。ただ、このまま安くなっていくかは流動的でわからない」と話していました。