“北部除き花粉飛散のピーク近づく ”専門家が対策呼びかけ

スギなどの花粉が今シーズンは平年の2倍以上の量になると予想される中、県内では北部を除いて花粉の飛散のピークに近づいていて、専門家が対策を呼びかけています。

日本気象協会によりますと、今シーズンのスギとヒノキの花粉の量は、県内では平年の2倍以上になると見込まれていて、9日は北部を除いて「多い」または「非常に多い」状態となっています。
花粉症などのアレルギーに詳しい群馬大学大学院の久田剛志教授によりますと、県内では北部を除いて花粉の飛散のピークに近づいていて、症状を訴えて受診する人が増えているということです。
また、ことしは飛散量が多いことなどから初めて花粉症の症状が出たという人も少なくないということです。
久田教授は、外出時にはマスクのほか花粉の付きにくいナイロンのような素材の服や帽子を着用し、家に入る前には服や髪などに付いた花粉を払うなど対策を取るよう呼びかけています。

花粉の飛散量がピークに近づく中、花粉症の人にとっては室内での対策も重要なポイントとなります。
室内の微粒子の動きなどを研究している群馬大学大学院理工学府の高橋俊樹准教授は、室内での根本的な対策は、部屋を閉めきることとした上で、新型コロナ対策などで換気をする場合は花粉を入り込ませないことが重要だと指摘しています。
具体的には、換気の際も、薄いレースのカーテンなどを閉めたままにし、換気をする窓の近くを1日に1回拭くと効果があるということです。
一方、室内に入り込んだ花粉への対策としては、空気清浄機が有効です。
高橋准教授によりますと、花粉からは、花粉より細かいアレルギーの原因物質が出て空気中を長く漂うため、できるだけ早く取り除く必要があります。
空気清浄機を窓の近くに置いた上で、取り込み口を室内の開けたスペースに向け、空気の循環を作ると、より効果的に花粉などを取り除くことができるということです。
高橋准教授は「花粉は比較的大きい微粒子で、早く床に落ち、そこからアレルギーの原因物質を出す。そのため、すみやかに床から拭き取ったり空気中から取り除いたりすることが大切だ」と話しています。