“学校の個人情報流出”NTT東日本に賠償命じる 前橋地裁

前橋市教育委員会のシステムが不正なアクセスを受け、小中学校などの個人情報が大量に流出した可能性があるとして、前橋市が、システムの管理を委託していたNTT東日本に損害賠償を求めた裁判で、前橋地方裁判所はNTT東日本に1億4200万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡しました。

前橋市は学校のデータなどを管理する教育委員会のシステムが不正なアクセスを受け、平成24年度から6年間で児童や生徒など、あわせて4万7000人あまりの個人情報が流出した可能性があるとして、システムの運用管理を委託していたNTT東日本に対し1億7700万円あまりの損害賠償を求める訴えを3年前に起こしていました。
裁判で前橋市は不正アクセスの原因について個人情報を保護するファイアウォールというシステムの設定に不備があったにもかかわらず、NTT東日本が修正を怠ったなどと主張したのに対し、NTT東日本は訴えを退けるよう求めていました。
17日の判決で、前橋地方裁判所の杉山順一裁判長はNTT東日本について「委託契約においてファイアウォールを適切に設定して通信制限を行う債務を負っていたと認めるのが相当だ」などと指摘しました。
一方で、前橋市が主張していたNTT東日本の不法行為などについては認めず、NTT東日本に1億4200万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡しました。

判決を受けて記者会見した前橋市の山本龍市長は「裁判所に十分に主張を認めてもらえたと思っている」と述べました。
そのうえで「この司法の判断を受けてNTT東日本には、自身の責任の所在を明らかにしてもらいたい」と述べました。

判決についてNTT東日本は「判決文の詳細を確認できていないため、回答は差し控える」とコメントしました。