北関東道2人死亡事故で事故を誘発した元会社役員に禁錮2年

群馬県の北関東自動車道でおととし、乗用車がガードレールに衝突し2人が死亡した事故で、タブレット端末の操作に気をとられて乗用車に接近し事故を誘発した罪に問われた元会社役員に対し、前橋地方裁判所は「注意散漫な運転をしたのは見過ごしがたく刑事責任は重い」として禁錮2年の判決を言い渡しました。

群馬県の北関東自動車道でおととし12月、乗用車がガードレールに衝突し女性2人が死亡、2人が重軽傷を負った事故では、栃木県真岡市の建設会社の元社長、増山邦夫被告(55)が時速100キロほどで走行中、タブレット端末の操作に気をとられて、後ろから走ってきた乗用車に気づかないまま接近し事故を誘発したとして過失運転致死傷の罪に問われていました。
これまでの裁判で被告は起訴内容を認め、検察は禁錮4年を求刑していました。
18日の判決で、前橋地方裁判所の柴田裕美裁判長は「とりわけ注意深い運転が要求される高速道路で基本的な注意義務を怠り録画番組を見ていたタブレットを操作したのは全く不必要な行動で過失の程度は大きい」などと指摘しました。
また、被告の車が乗用車が走行していた車線に全部、または大部分入っていたという検察側の主張について「証拠に疑義が残る」と指摘する一方で、被告について「それまで交通違反で複数回検挙されていたのに、注意散漫な運転をしたのは見過ごしがたく刑事責任は重い」などと述べ、禁錮2年の判決を言い渡しました。

裁判のあと事故で亡くなった三田昌子さんの夫の静雄さん(67)が取材に応じました。
静雄さんは判決について「被告を個人的に恨んでも亡くなった人が帰ってくるわけではない。しかし、相手に痛くもかゆくもなく、ふだんの生活に戻られたら納得はできないと思っていたので、実刑判決が出たことで少しは納得できた」と話しました。
また、被告に対しては「もし本当に反省しているのであれば控訴をせず素直に判決を受け入れてもらいたい」と思いを語りました。
静雄さんは事故のあと、ほかの遺族などとともに原因究明を求める内容の上申書を警察に提出し、その後、捜査が進んで被告の逮捕に至りました。
これについて「妻は危ない運転をする人ではないと家族で信じていた。原因があやふやのままだと妻が浮かばれないと思っていた。上申書を出さなくても警察は動いてくれていたと思うがじっとしていられなかった」と振り返りました。
そして最後に「妻には『関係する人たちのおかげで禁錮2年の実刑になったよ。悪いレッテル、不名誉な部分は晴れたよ』と伝えたい」と話していました。