宇治 平等院 観音堂で初めての本格調査 行われる

世界遺産に指定されている宇治市の平等院にある観音堂で、およそ100年ぶりとなる修復工事にあわせて、初めて本格的な調査が行われています。

宇治市の平等院にある観音堂は、鎌倉時代初期の建物で国の重要文化財に指定されていて、およそ100年ぶりの修復工事がことし5月から行われているのに合わせて、初めての本格的な調査が進んでいます。
調査はおよそ2万枚ある屋根瓦から始まり、室町時代を示すとみられる応永を意味する「ヲエ(おえ)十二年」と書かれた瓦が見つかり、600年ほど前の瓦が今も多数、使われていることがわかったということです。
また鬼瓦のうち、もっとも古いものは鎌倉時代後期のもので、竹の先端で型押しするようにして目を立体的に仕上げたほか、歯や髪はへらで線を描くなど、一つ一つ手作業で作った様子が伝わるとしています。
さらに堂内の柱や戸板には、当時、参拝した人が日付や名前を墨で落書きのように記していて、住職は「仏と縁を結ぶ」という意味があったのではないかとしています。
平等院の神居文彰 住職は「観音堂は、誰がいつ何のために設置したかさえ わかっていない謎の建物だが、手つかずの状態で残されているので、どんな歴史があるのか解明していきたい」と話していました。
調査は、修復工事が続く2年後(2026年)まで行われる予定です。