バトントワリングの元指導者を選手への強制わいせつの罪で起訴

国際的に活躍していたバトントワリングのチームで、10代の男子選手にわいせつな行為をしたとして逮捕された40歳の元指導者について、京都地方検察庁は強制わいせつの罪で起訴しました。

起訴されたのは、バトンを音楽に合わせて回したり投げたりするスポーツ、バトントワリングで国際的に活躍していたチームの元指導者、小城桂馬被告(40)です。
起訴状などによりますと、元指導者は去年(令和5年)2月、チームに所属する10代の男子選手を京都市内の自宅に呼び出し、無理やり体を触るなどしたとして、強制わいせつの罪に問われています。
検察は認否を明らかにしていませんが、被告は警察の捜査段階の調べに対し、容疑を認めていたということです。
この問題をめぐっては、去年、日本バトン協会の外部調査委員会が、元指導者は優越的地位にあり、選手が同意しない意思を表明することが難しい状態であることに乗じていたと指摘していて、協会は、全面解決に向けて選手とその家族に寄り添うとともに、再発防止策として第三者のカウンセラーに匿名で相談できる通報窓口を、先月(4月)設置したとしています。

【被害に遭った男子選手の両親のコメント】
被害に遭った男子選手の両親がNHKの取材に応じ、事件についてコメントしました。
事件について両親は「指導者としての被告に、絶対の信頼を寄せていたので『どうして』という気持ちが強いです。指導者と選手という構造的な力関係があり、精神的に断ることができない状況でした。息子はいまも競技に復帰できず、事件のフラッシュバックに苦しめられています」と話しています。
そのうえで、日本バトン協会と所属チームの事件後の対応は十分ではなかったとして、「息子が競技に復帰できるように環境を整えるなど、真摯(しんし)な対応を求めたい」としています。