京都市 自殺者数が4年連続増加 50代が最多

京都市で去年(令和5年)1年間に自殺した人の数は、241人で4年連続の増加となりました。
特に50代の自殺者が多く、健康問題を理由としたものが多いとしています。

京都市によりますと、去年1年間に市内で自殺した人の数は241人で、去年の223人を上回って4年連続で増加し、この10年で2番目に多かったということです。
性別は男性が165人、女性が76人で、年代別では50代が最も多く52人、40代と60代がそれぞれ34人、20代が33人などとなっています。
遺書や親族などへ聞き取りから自殺の理由としては、病気の悩みなどの健康問題が最も多く35%、次いで家庭問題が18%、経済、生活問題が16%などとなっています。
市の障害保健福祉推進室は「増加の要因は分からないが、新型コロナの感染拡大の時期に始まった増加がまだ続いている。今後も相談などに丁寧に取り組みたい」としています。
京都市では今年度、7月と12月を除く毎月1回、弁護士や司法書士らによる対面やオンラインでの無料相談会を開いているほか、24時間対応の電話相談窓口を設けています。
相談できるのは、京都市に住んでいたり、京都市の勤務先や学校に通勤・通学したりしている人で、電話番号は075−321−5560です。

【“話を聞いてほしい” 電話相談は最多】
京都市の自殺者数は、平成26年の273人をピークに減少し、平成27年が225人、平成28年が213人、平成29年が211人、平成30年が201人、そして令和元年には200人を切って186人となっています。
しかし、その後は増加に転じていて令和2年が200人、令和3年が202人、おととし(令和4年)が223人、去年が241人となっています。
こうした中、悩みを抱える人からの相談を24時間、電話で受け付けている「京都市こころの健康増進センター」によりますと、昨年度(令和5年度)に受けた電話相談の件数は1万2258件で、24時間対応を始めた令和2年度以降、最も多かったということです。
昨年度の相談のうち、6割から7割は「話がしたい」とか「話を聞いてほしい」といった内容で、病気への不安や疑問、抑うつ的な訴えがあったということです。
また、家族や夫婦関係の悩みやいわゆる「ママ友」などの対人関係の悩みのほか、「将来のことに悩んで眠れない」「体調が悪く仕事に行く気になれない」「死にたい気持ちが消えず困っている」などといった相談があったということです。
こうした相談に対し、センターでは悩みを聞いたうえで必要に応じて公的機関を紹介したり、緊急性が高いと判断した場合は管轄の警察署に通報するなどの対応をとっています。
京都市こころの健康増進センターは「誰かに相談をできるということはよいことだと思いますし、死にたいほどのつらい気持ちを相談する窓口があることを、市民の皆様にもっと知ってもらえるよう普及、啓発活動に取り組み今後も相談者の思いに耳を傾けていきたいです。人に話すのは勇気がいることだと思いますが一人で悩まず誰かに話を聞いてもらえることで、ほっとできるかもしれません。あなたの思いを聞かせてください」としています。