「過労死ライン」超えた教員 中学校で6割近くに 京都府教委

京都府教育委員会が教員の勤務実態を調査したところ、時間外労働の平均が、いわゆる「過労死ライン」を超えている教員は中学校で6割近くにのぼりました。

京都府教育委員会は、6年ぶりとなる教員の勤務実態調査の速報値をまとめました。
調査は、京都市立をのぞく府内の公立学校に勤務する教員1100人を対象に、去年10月と11月の1週間の業務記録を抽出して行いました。
その結果、平日1日あたりの学校での教員の勤務時間の平均は、▼小学校は10時間59分、▼中学校は10時間55分と、6年前と比べて▽小学校で32分▽中学校で41分減っています。
1か月に換算したときの時間外労働が、いわゆる「過労死ライン」とされる80時間を超える教員の割合は、▼小学校で33%▼中学校で57.7%となり、6年前の調査よりも減ったものの依然として高い割合だということです。
府教委では、教員の負担を減らすため、教員業務支援員の配置や部活動での負担軽減などを進めてきたということです。
今回の調査結果について京都府の教育委員からは▼働き方改革を現場に求めるだけでは限界があるという意見や▼実際の勤務時間に応じた残業代が支払われない給与のあり方も要因の1つだなどの指摘が出されました。
京都府教育委員会は「働き方の改善は急務だが、教員の採用数を急激に増やすと、質の低下が懸念される。さまざまな対策を考えていかないといけない」と話しています。