亀岡 10人死傷暴走事故から12年 現場で遺族ら法要

京都府亀岡市で無免許運転の車が小学生の列に突っ込み、10人が死傷した事故から23日で12年となります。
現場では遺族が参列して、法要が営まれました。

平成24年4月23日、京都府亀岡市で、当時18歳の少年が無免許で運転していた車が登校中の小学生の列に突っ込み、児童2人と子どもに付き添っていた妊娠中の女性のあわせて3人が死亡し、7人が重軽傷を負いました。
事故から12年となる23日、現場では発生時刻の午前8時前から法要が営まれ、参列した遺族などおよそ40人が花とともに並べられた遺影に手を合わせ祈りをささげていました。
事故の後、遺族たちは全国の事故の遺族と連携して交通安全を訴える取り組みを続けていて、23日は5年前(2019年)、東京・池袋で高齢ドライバーの車が暴走した事故で妻と娘を亡くした松永拓也さんが現場を訪れ、ともに犠牲者を悼みました。
亡くなった松村幸姫さん(当時26歳)の父親の中江美則さんは、「本来なら娘のおなかの中にいた赤ちゃんはいま学校の運動場で楽しんでいたはずで、2人の姿が見られず苦しい。被害者にとっては単なる交通事故ではすまされないということをこれからも訴えていきたい」と話していました。
午後からは松永拓也さんが遺族の思いを訴える講演を行い、「いつか自分の命が尽きるときに『お父さんはがんばって生きたよ。2人の命を無駄にしなかったよ』と胸を張れるよう生きていきたい。誰しもが加害者になり得るので、そうならないよう気をつけてほしい」と呼びかけました。
このあと、亀岡市の事故の遺族を交えたパネルディスカッションでは、小学2年生だった娘の真緒さん(当時7歳)を亡くした小谷真樹さんが「7歳のままで娘は止まったままで、それを考えれば考えるほど塞ぎ込んでしまう。交通事件をなくすために何ができるのかみなさんにも考えてほしい」と話していました。

【東京・池袋の暴走事故の遺族 松永拓也さんも法要に参加】
23日の法要では、5年前(2019年)、東京・池袋で高齢ドライバーの車が暴走した事故で妻と娘を亡くした松永拓也さんが初めて現場を訪れ、犠牲者を悼みました。
松永さんは、亀岡市の事故の遺族、中江美則さんと去年(令和5年)から連絡を取り合ってきたということで、法要のあと、「きょう現場に初めて来て、遺影を見て、愛する人を亡くした思いを想像すると胸が痛み、悲しい気持ちになった。私も妻と娘を亡くして本当につらい5年間だった。一人ひとり悲しみや深さは違うけれども、愛する人を亡くした悲しみは普遍的なものだと思う。立場も住んでいる場所も違うが連携をとりながら事故を減らしていく活動をしていきたい」と話していました。