バーミヤン遺跡の失われた壁画 墨の再現図を展示 京都

イスラム主義勢力タリバンによって破壊されたアフガニスタンにある仏教遺跡バーミヤンの貴重な壁画を、墨で再現した作品などを紹介する特別展が、20日から京都市で始まります。

アフガニスタンにある仏教遺跡バーミヤンは、6世紀から7世紀に掘られたとされる2体の大仏で知られていましたが、23年前に、偶像崇拝を否定するイスラム主義勢力「タリバン」によって石窟に描かれた壁画とともに破壊されました。
京都市下京区にある龍谷ミュージアムで一般公開されるのは、壁画が破壊される前に撮影された写真をもとに、実物の10分の1の大きさで、墨で再現した作品です。
貴重な人類の遺産を後世に正確に伝えようと、専門家に依頼して制作しました。
作品は、2体の大仏「東大仏」と「西大仏」の頭上にそれぞれ残されていたもので、▼ゾロアスター教の神とみられる「太陽神」が馬車に乗る姿を中心に、さまざまな神々が描かれていたり、▼大勢の天女などが集う、「弥勒菩薩(みろくぼさつ)」の住むとされる世界の様子が描かれていたりします。
龍谷ミュージアムの岩井俊平 学芸員は、「弥勒信仰は日本にも伝わってきています。同じ文化がアフガニスタンと日本にあることを体感してほしいです」と話していました。
特別展は、龍谷ミュージアムで20日から6月16日まで開かれます。