新型コロナ関連委託会社が京都市に過大請求 詐欺疑いで告訴

京都市から新型コロナ関連の委託業務を受けていた会社が人件費を過大に請求していた問題で、会社が設置した調査委員会は、最終的な過大請求額がおよそ9億円に上ることを明らかにしました。
一方、市は会社側を詐欺の疑いで警察に告訴しました。

東京に本社がある「日本トータルテレマーケティング」は、京都市から委託を受けたワクチン接種に関わるコールセンターなどの業務でおととし、市に対して人件費を過大に請求していたことが発覚しました。
このため会社は、外部の弁護士でつくる調査委員会を設けて調査を進め、27日、最終報告書を発表しました。
それによりますと、令和3年2月から去年3月までの間に人件費およそ9億円を市に対して過大に請求していたということです。
また、過大請求を隠蔽するための労働時間の水増しに、複数の社員が関わっていたほか、幹部社員も黙認していたとして、不正の原因は、基本的なコンプライアンスの意識が欠如していたなどと指摘しています。
さらに、内部などから寄せられた情報によると、会社が業務委託を受けていた別の自治体でも過大請求を行っていた可能性があるとして、さらなる調査を求めています。
会社は、全額を返還するとともに、京都市以外の22の自治体についても過大に請求していなかったか、確認することにしています。
日本トータルテレマーケティングの森真吾社長は「京都市の信頼を裏切り、多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわびする。公共事業に重大な問題を生じさせ、市民や国民に多大な心配と不安をおかけした」と謝罪しました。
一方、京都市はことし1月、会社側を詐欺の疑いで警察に告訴したことを明らかにしました。
松井市長は「市民の命と健康を守る事業で数々の卑劣な不正行為が行われたことは、断じて許すことはできない。警察の捜査に協力するとともに、判明した不正請求額は、精査のうえ、早急に全額を返還させる」とのコメントを発表しました。