京都 鎌倉時代の「木造六観音菩薩像」などが国宝指定に

千本釈迦堂として知られる大報恩寺の「木造六観音菩薩像(もくぞうろくかんのんぼさつぞう)」などが、新たに国宝に指定されることになりました。

新たに国宝に指定されるのは、京都市上京区の千本釈迦堂として知られる大報恩寺が所蔵する「木造六観音菩薩像」と「木造地蔵菩薩立像」です。
「木造六観音菩薩像」は、鎌倉時代の1224年に運慶の一門である肥後定慶と5人の仏師が制作したとみられる仏像で、大きいものは、高さ180センチを超えます。
死後に生まれ変わる6つの世界から人々を導くとされた六観音の姿をあらわしていて、鎌倉時代以前に制作された六体がそろって伝わるのは全国で例がないということです。
丸い頬と、複雑に重なってうねるような衣の表現が美しく、装飾的でありながらもやわらかさを合わせもった作風で、運慶の一門らしい情感に富んだ像になっています。
これらの像は、江戸時代前期に、荒廃した寺院からこの寺に移されてきたことが確認されていて、一緒に移された「木造地蔵菩薩立像」もあわせて国宝に指定されました。
大報恩寺の菊入諒如 住職は、「多くの人たちが救いを求めて拝んだ仏なので、制作されて800年の節目に国宝になり感慨深い」とコメントしています。