西脇知事 向日町競輪場の敷地内に「アリーナ」整備の方針

京都府の西脇知事は14日の定例府議会で、大規模な屋内スポーツ施設、いわゆる「アリーナ」について、京都市内での整備を見送り、向日市にある向日町競輪場の敷地内に整備する方針を明らかにしました。

府内には、大規模な屋内スポーツ施設「アリーナ」が少なく、府は、▼向日市にある向日町競輪場の敷地内に新たに整備するか、▼京都市左京区にある府立大学の体育館を建て替えるか、いずれかの案で検討を進めてきました。
これについて、西脇知事は14日に開かれた定例府議会の予算特別委員会で、▼すでに再整備が決まっている競輪場と相乗効果が期待できることや、▼自転車競技を含めたスポーツ振興の拠点化が図れることなどから、「国際大会を誘致できる規模の屋内スポーツ施設について向日町競輪場に整備したい」と明らかにしました。
もうひとつの案の京都市内での整備については、大学側や地域住民から反対意見が出ていたことなどから見送りました。
府は今後、アリーナの規模や建設費など整備に向けた具体的な検討を進める方針です。

【西脇知事“整備手法など検討”】
西脇知事は14日夕方、記者団に対し、向日市に整備を決めた理由について「向日町競輪場では屋内スポーツと、サイクルスポーツの相乗効果が高められるほか、向日市には大規模イベントの開催実績がある。一方、府立大学は大学側から大学の体育館としての建て替えの要望が出たことなどを総合的に勘案した」と述べました。
さらに、整備の時期は未定としたうえで「場所が決まったので、整備手法や全体の事業費など、できるかぎり早く検討したうえで、事業化に向けた次のステップに行きたい。国内の先進的な事例も参考に、機能的で、多くの人に利用してもらえるような施設にしたい」と述べました。

【向日市長“歓迎したい”】
京都府の西脇知事が「アリーナ」を向日市にある向日町競輪場の敷地内に整備する方針を明らかにしたことについて、向日市の安田守市長は「市のにぎわい創出と、スポーツの振興に寄与する施設なので歓迎したい。市民が気軽に利用でき、誇れる施設になってほしい。また、交通渋滞などの不安があるので、駐車場や周辺の整備が課題だ」とコメントしています。

【アリーナ建設の経緯】
京都府内には、観客席が5000席を超える体育館が1つしかなく、国際的なスポーツ大会やイベントなどの誘致が難しくなっています。
このため、京都府は、座席数が1万人規模のアリーナを新たに整備しようと検討を進めていました。
京都府は4年前、老朽化した府立大学の体育館をアリーナに建て替える案を地域の整備計画の中で示しました。
しかし、地元住民や学生などから大学の周辺に多くの人が集まることで、生活環境や学習環境に悪影響が出るのではと、反対する声が上がっていました。
こうしたなか、府は去年(2023年)2月、老朽化が進む向日市にある向日町競輪場を再整備する方針を示し、そのなかで、競輪場の敷地内にアリーナを造る可能性についても検討していました。
去年6月には、向日市が正式に誘致を表明するなか、京都府は、有識者による会合を開き、意見を聴くなどしたうえで、14日、向日市に整備する方針を明らかにしました。