赤色ネットで防虫効果か 防除法として注目 研究グループ

農作物のネギの害虫の一種について、赤色の防虫ネットを使うと、被害を少なくできる可能性があることを、京都府農林水産技術センターなどの研究グループが確認し、農薬を使わない防除法として注目されています。

農作物のネギ類などでは、葉に寄生する「ネギアザミウマ」と呼ばれる害虫が知られていて、生産者は防虫ネットで覆うことで、被害を減らしています。
京都府農林水産技術センターなどの研究グループは、防虫ネットの色によって効果に違いがあるか調べるため、白と黒、それに赤色の、3つの色の糸を組み合わせた6種類のネットを作り、実験を行いました。
その結果、防虫ネットをくぐり抜けて、ネギに寄生したネギアザミウマの率は、赤色のネットだと、白色のものよりも8分の1に減ることがわかったということです。
また、赤と黒の糸で編んだ防虫ネットでは、白に比べて寄生した率が14分の1と、さらに下がったということですが、ネギにあたる光もより多く遮る可能性があるため、赤い色のネットが実用的だとしています。
研究グループによりますと、これまで、昆虫には赤い色が見えていないと考えられてきたため、昆虫が赤い色をどのように認識しているか考える興味深い結果だとしています。
京都府農林水産技術センターの徳丸晋虫 主任研究員は「この害虫は農薬だけでは防ぎにくく、府内にも困っている農家が多くいた。今後、使いやすい赤いネットが開発できるよう、研究を進めていきたい」と話していました。