特殊なブタの腎臓をサルに移植 安全性など確認の研究 夏にも

京都府立医科大学などの研究グループは、ヒトに臓器を移植することを想定して開発された特殊なブタの腎臓をサルに移植し安全性などを確かめる研究をことし夏にも実施する予定だと発表しました。

京都府立医科大学と鹿児島大学の研究グループは、神奈川県にあるベンチャー企業がヒトへの臓器の移植を想定して拒絶反応が起こりにくくなるよう遺伝子操作した特殊なブタの腎臓をサルに移植する研究を行うと発表しました。
早ければことしの夏にも実施し、拒絶反応の有無や腎臓の機能が保たれるかなど数年かけて安全性や効果を確認したうえで、腎臓病の患者への応用を目指したいとしています。
研究グループではこのほか、このブタの腎臓をヒトに移植した際に拒絶反応が起きないか、腎臓病の患者の血液を使って確かめる研究も並行して進めるということです。
京都府立医科大学の奥見雅由准教授は、「拒絶反応でヒトの腎臓を移植できない患者にとって、新たな選択肢の1つになる可能性があると考えている。社会実装に向けてしっかりと研究を進めていきたい」と話していました。