京都大学の学生寮「吉田寮」訴訟 大学側も判決不服として控訴

京都大学の学生寮「吉田寮」のうち、築100年を超える古い建物に住む寮生に大学が明け渡しを求めた民事裁判で、ほとんどの寮生の入居の継続を認めた京都地方裁判所の判決を不服として、大学が、2月29日、大阪高等裁判所に控訴しました。

京都大学の学生寮「吉田寮」のうち、1913年に建築された建物をめぐっては、老朽化して地震で倒壊する危険性があるとして、5年前の2019年以降、大学が寮生に明け渡しを求めて提訴し、京都地方裁判所は、先月(2月)16日、「寮生との間には在寮契約が認められ、大学の規程には、老朽化を理由に退去を求めることができるという定めが存在しない」などと指摘し、寮に住む17人のうち14人については明け渡す必要がないとする判決を言い渡しました。
この判決を不服として、大学側は、2月29日、大阪高等裁判所に控訴したということです。
京都大学は、「判決では主張が一部裁判所に受け入れられず、誠に遺憾だ。安全確保のためには、すべての寮生に明け渡しを求めることが必要で、引き続き裁判所に大学の主張を理解いただけるよう努める。改めてすべての人に速やかに退居することを求める」としています。
この裁判をめぐっては、明け渡しを命じられた一部の寮生側も2月28日に控訴する一方、大学側に話し合いでの問題解決を求めています。