京都市システム更新訴訟 市と業者に支払い命じる判決

京都市の基本的なデータシステムの更新が作業の遅れで、予定どおり進まなかったことをめぐり、市と作業を行った業者が互いに損害賠償や作業代金などの支払いを求めていた民事裁判で、裁判所は、互いの主張の一部を認め、それぞれ一定程度支払うよう命じる判決を言い渡しました。

京都市によりますと、市は平成28年、国民健康保険や介護保険、それに住民基本台帳などに使われる基本的なデータシステムの更新を東京都内のIT業者に発注しましたが、作業が遅れ、完了する見通しも立たなくなったことから、市は契約を解除し、業者に損害賠償などとして36億円を求める訴えを起こしていました。
一方、業者側も作業代金などとして、市に9億円を求める訴えを起こしていました。
2月29日の判決で東京地方裁判所は、作業代金を求めていた業者の訴えについては、市が業者に1億947万円余りを支払うよう命じました。
そして、契約代金の返還や遅延による損害賠償などを求めていた市の訴えについては、業者が市に4億9279万円余りを支払うよう命じました。
判決を受けて京都市は「主張が一定認められたものと認識している。判決内容を十分に確認したうえで、対応を検討したい」としています。
一方、業者側は「判決内容を真摯(しんし)に受け止め、判決理由を精査し対応を検討したい」としています。
市によりますと、一連の問題でデータシステムの更新が遅れたことによる市民生活への影響はないということです。