嵐山で放置の「鵜」小屋 京都府が行政代執行で撤去始める

京都市の観光名所、嵐山で「鵜」の飼育などを目的に設置され、その後放置されている小屋について、京都府は、景観保護の観点から、所有者などに代わって撤去する行政代執行を始めました。

京都市右京区の嵐山では、夏の風物詩として「鵜飼い」が行われていて、嵐山公園の中之島地区では、2019年に、公園を管理する府が許可し、「鵜」の飼育などを目的とした木造平屋建ての小屋が設置されました。
しかし、小屋は使われないまま放置されて設置の許可期限が切れたため、京都府は去年(2023年)、景観保護などの観点から設置に関わった団体と会社に対し、撤去命令を出していました。
この命令に応じなかったとして、京都府では、14日から、代わりに小屋を撤去する行政代執行を始めました。
小屋の前で京都府の担当者が行政代執行の開始を宣言した後、撤去を行う作業員が小屋の周りに擁壁などを設置していました。
府では、来月(3月)末までに撤去を完了させたいとしていて、およそ990万円と見込まれる工事費用は、設置に関わった団体や会社などに請求する方針です。
京都府都市計画課の村田英光 参事は「許可の期限が切れているため小屋の設置は認められず、元どおりにする必要があった。建物が使われなくなったのは残念だが、やむをえない措置だ」と話していました。
撤去命令を受けた会社、「嵐山通船」によりますと、ともに命令を受けた一般社団法人「嵐山鵜飼観光文化振興協会」はすでに解散の手続きをしているということですが、小屋の設置を申請したのも所有しているのも協会だとして、府に対し、不服審査の請求を行っているということです。
「嵐山通船」の小島義伸 社長は「不服審査請求に対する話し合いがなく、行政代執行が行われるのは納得いかない。責任は、建設を申請した一般社団法人と許可をした京都府にある」と話しています。