珍しい「ミズヤシ」花が咲く 24年間で初 京都府立植物園

京都府立植物園で育てている「ミズヤシ」という極めて珍しいヤシの仲間の植物が、24年目で初めて花を咲かせ、話題になっています。

「ミズヤシ」は、アフリカの島国、マダガスカルが原産とされ、汽水域の川の中に根をはって成長する珍しいヤシの仲間です。
マダガスカルでも数が減って、現在は国外への持ち出しが制限されるなど、世界的にも栽培されている例は少ないということで、京都府立植物園によりますと、府立植物園の温室で24年前から育てていて、国内で栽培されているのはここだけだということです。
その「ミズヤシ」が、先月(1月)20日に初めて花を咲かせました。
花はクリーム色で、「さや」のような中に小さな花が並ぶように多数、集まった構造になっています。
去年12月に葉の脇から「さや」が伸び始め、今では7本がでて、ススキの穂のように花を咲かせています。
府立植物園によりますと、「ミズヤシ」は栽培が難しく、花を咲かせたのは国内では初めてではないかとしています。
訪れた人たちは「ミズヤシ」の前で立ち止まり、興味深そうに眺めていました。
京都府立植物園の植岡壮平さんは、「咲くとは思わなかったので驚いています。花の状態を見ていると今月(2月)下旬くらいまでは咲いているのかなと思います。ちょうど植物園も100周年で、『ミズヤシ』を栽培してきた歴史を感じてもらいたい」と話していました。