ALS嘱託殺人事件関連“別の男性を医師が殺害”元医師が証言

難病のALSの患者を本人からの依頼で殺害した罪や別の高齢の男性を殺害した罪などに問われている医師の裁判で、医師と共謀したとされる元医師の証人尋問が行われ、元医師は、男性を殺害した罪について、「殺害をやめようとしたが、医師が殺害してしまい驚いた」などと証言しました。
医師は、男性を殺害した罪は否認しています。

医師の大久保愉一被告(45)は、元医師の山本直樹被告(46)とともに、5年前(2019年)、難病のALSを患っていた女性から依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして嘱託殺人などの罪に問われているほか、13年前(2011年)、山本被告の父親(当時77)を殺害した罪などに問われています。
大久保被告は、山本被告の父親を殺害した罪について、起訴された内容を否認しています。
12日の証人尋問で、山本被告は、父親を殺害した罪について検察から状況を問われ、「父親の精神障害で長年苦しめられているなか、大久保被告から殺害するという提案があった。直前にやめようとしたが、父親から離れたわずかな時間に大久保被告が殺害してしまい驚いた」などと証言しました。
また、「大久保被告は殺人をするためのノウハウを蓄積していると思った。縁を切れず非常に後悔している」と話しました。
山本被告は、女性に対する嘱託殺人の罪で懲役2年6か月、父親を殺害した罪で懲役13年の判決をすでに言い渡されていて、いずれも控訴しています。