ウクライナ キーウ市の副市長が京都市役所訪問

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続くなか、首都・キーウ市の副市長などが京都市役所を訪れ、門川市長にこれまでの支援への感謝を述べるとともに、市内で7日から開かれるウクライナの文化や芸術を紹介するイベントをPRしました。

京都市は、ウクライナの首都・キーウ市と1971年に姉妹都市提携を結んでいて、軍事侵攻が始まって以降、▼ウクライナからおよそ100人の避難者を受け入れているほか、▼市民から寄付を募って使い捨てカイロなどの物資を届けたり、寄付金をキーウ市に送り、破壊された集合住宅の修復に活用してもらったりするなど、支援を続けています。
7日から京都市内でウクライナの文化や芸術を紹介するイベントが開かれるのを前に、6日、キーウ市からハンナ・スタロステンコ副市長や歴史博物館の館長などが京都市役所を訪れました。
出迎えた門川市長は「京都市民の心は常にキーウ市民とウクライナ国民とともにある。一刻も早い平和を願い、息の長い復興への支援を行っていきたい」と述べました。
一方、スタロステンコ副市長は「私たちは難しい時期を乗り越え、生きていけることを信じているが、支援があってこそ、その確信を持つことができる」と述べました。
このあと、ウクライナの民族音楽や風景画が披露されました。
イベントは、演奏会が7日からの2日間、中京区の「ゼスト御池 御幸町広場」で、絵画展は11日から28日まで京都市役所で開かれます。
いずれも入場は無料で、会場には寄付金箱が設置されます。

【キーウ市の副市長“人々は凍えている”】
キーウ市のハンナ・スタロステンコ副市長が、6日、NHKの単独インタビューに応じ、市内の現状や、姉妹都市提携を結ぶ京都市への思いなどについて語りました。
スタロステンコ副市長は、現在のキーウ市の状況について「いまは雪が降っていてマイナス5度ととても寒いです。毎日、ミサイル攻撃を受けていて、ロシアは私たちの重要なインフラ・電気や暖房システムを破壊しようとし、ウクライナの人々は凍えています」と明かしました。
子どもたちの置かれている生活環境については「子どもたちはサイレンを聞くと、(避難のため)シェルターに行かなければなりません。私たちはより多くの学校や幼稚園、図書館をつくりたいのですが、いまはシェルターをつくらなくてはならないのです。子どもたちは私たちの未来なので守らなければなりません」と述べました。
そして、市民の心のケアも課題になっていると指摘し、「(軍事侵攻から)まもなく2年となりますが、人々は毎日緊張にさらされています。心のケアは国だけでなく、市町村レベルでも優先事項です」と述べました。
また、現在、求めている支援については、「国内(の別の街)からキーウ市に避難している人も多く、彼らは生活しなければなりません。仕事や心のケアも必要です。けがをしている人が多く、病院など医療機関への機器もたくさん必要としています」と話しました。
そして、1971年から姉妹都市提携を結ぶ京都市や京都市民に対して「本当に良好で強力な歴史あるパートナーシップです。この2年間、財政援助や人道支援で私たちを助けてくれてとてもうれしいです。京都にいま来ることができてとても幸せです。支援にとても感謝しています。ウクライナを、私たちをどうか忘れないでください。私たちは自由のために、独立する権利のために、まだ戦っていて人々の命をささげています」と述べました。
最後に、京都市内で7日から順次開催されるウクライナの文化や芸術を紹介するイベントについては「ウクライナの画家のとても美しい展示会になると思います。音楽家も連れてきました。京都の人々に楽しんでもらえることを願っています」と述べました。