天皇の離宮「雲林院」平安期の規模示す新たな遺構発見か 京都

来年のNHKの大河ドラマ「光る君へ」の主人公、紫式部が書いた「源氏物語」にも登場する、天皇の離宮「雲林院」の跡地の発掘調査で、これまでに確認された建物の跡よりも新たに200メートル西側で、平安時代のものとみられる溝の跡や土器が見つかりました。
京都市は「平安期の雲林院の規模を示す貴重な発見だ」としています。

「雲林院」はいまの京都市北区紫野で、平安時代に淳和天皇が離宮として整備し、最盛期には敷地がおよそ220メートル四方あったと文献で伝えられています。
「源氏物語」では、光源氏が藤壺との仲を思い悩みこもった場としても描かれています。
住宅の建て替えに伴い、ことし6月から京都市文化財保護課が発掘調査を行ったところ、平安時代後期の10世紀後半に作られた土師器(はじき)と呼ばれる土器が見つかったほか、幅1メートル、深さ30センチの溝の跡も確認されました。
23年前の平成12年に、今回の発掘場所からおよそ200メートル東側で柱の跡が見つかっていて、今回の発掘場所は敷地の西の端付近にあたるとみられるということです。
京都市文化財保護課の八軒かほりさんは「今回の発見で、雲林院が10世紀中頃に最盛期を迎え、このあたりに建物などがあった可能性が高くなったのではないか」と話しています。