長沢芦雪が描いた掛け軸の仏画 半世紀ぶりに確認
江戸時代に京都で活躍した画家の長沢芦雪が描いた掛け軸の仏画がおよそ半世紀ぶりに京都市内の美術館で確認されました。
長沢芦雪は江戸時代中期、円山応挙の弟子として京都を中心に活躍した画家です。
今回、半世紀ぶりに確認されたのは、掛け軸の「大黒天図」です。
大きさは縦がおよそ164センチ、横が98センチ余りある大きな作品で、打ち出の小づちを持った大黒天が画面いっぱいに描かれ、髪の毛やひげも質感が丁寧に表現されています。
芦雪が30代前半のころに描いたとみられ、所蔵する京都市右京区にある福田美術館によりますと、芦雪は動物画で知られていますが、仏画は貴重だということです。
この作品をめぐっては52年前の1971年(昭和46年)に東京で開催された美術展に出品された記録は残っていますが、それ以降は不明になっていました。
去年の夏、大阪の美術商から情報が寄せられ、美術館が購入したということです。
福田美術館の岡田秀之学芸課長は「ずっと探していました。およそ50年の歳月を経て再び現れたことで芦雪の新しい評価や解釈につながってほしい」と話しています。
「大黒天図」はことし10月から福田美術館で開かれる企画展で一般に公開されます。