人間国宝に能楽師の金剛永謹さんと狂言師の茂山七五三さん認定

京都府からあらたに人間国宝に認定されるのは、いずれも京都市の、▼能楽師の金剛永謹さんと、▼狂言師の茂山七五三さんの2人です。

金剛さんは、京都市出身の72歳。
「能シテ方」の流派の一つ、金剛流の二十六世宗家を平成10年に継承しました。
優美で華やかな金剛流の伝統的技法を高度に体現しているだけでなく、平成15年には、老朽化していた「金剛能楽堂」を移築するなど、伝統を後世に残していく基盤整備に尽力していることなどが高く評価されました。
金剛さんは、「想定外のことで、とても驚いています。人間国宝になったからといって急に変わるものはなく、もっと精進して、能の1番奥深いところに入っていきたいし、能楽の振興発展のために力を尽くしたいです」と話しています。
また、京都市出身の茂山七五三さん、本名、茂山眞吾さんは75歳。
狂言方大蔵流の茂山家に生まれ、いずれも人間国宝の父と祖父のもとで研さんを積み、堅実さと軽妙さをあわせ持つ独自の芸風を確立しました。
このほか、老人が主役で、高い技量が求められる「三老曲」と呼ばれる曲でも成果を上げたり、長年にわたり、後進の育成に尽力したりしていることなどが評価されました。
茂山さんは、「全く予想しておらず、まさか自分がと思いましたが、この道を絶やさず、茂山家の芸をたくさんの方に見て頂く機会につなげていきたい。一番一番丁寧に、見ていて楽しいと思ってもらえるようこれからもがんばっていきたいです」と話していました。