京都 昭和初期に使われた「石版印刷」原版などの展示会

昭和初期まで使われていた「石版印刷」を知ってもらおうと、京都市内で原版の展示会が開かれています。

京都市左京区の「みやこめっせ」で展示されているのは、昭和初期に使われた「石版印刷」の原版7点と実際に印刷された家紋の見本帳です。
「石版印刷」は大理石に墨で絵などを描いてプレス機にかけて紙に写す技術で、NHKの連続テレビ小説「らんまん」でも、主人公が植物図鑑を発行するために、技術を習得する様子が放映されました。
今回は、放映をきっかけに、石版印刷を知ってもらおうと、昭和11年にこの方法で家紋の見本帳を発行した組合が企画しました。
原版7点はいずれも、縦30センチ、横50センチの大きさで、1つの面に2ページ分が描かれています。
1ページに20個余りの家紋が描かれ、このうち竜をあしらった家紋は、うろこを1枚ずつ描いた精密な表現が、印刷した紙にもきれいに写し出されています。
また、石版の厚みは、8センチから5センチまでさまざまで、描き直すたびに削り、平面になるよう磨いて使っていたことがわかるということです。
京都紋章工芸協同組合の地主成利 理事長は、「非常に細かい模様でできた家紋もありますが、石版印刷のおかげで、繊細な部分まで今に伝わっているので、多くの方に見てほしいです」と話していました。
展示は7月23日までです。