保津川下り事故再発防止 船頭が救命胴衣の重要性など学ぶ
ことし3月、亀岡市で観光客を乗せた「保津川下り」の舟が転覆し、船頭2人が死亡した事故で、運航会社は20日、再発防止策の一環として船頭への研修を行い、およそ100人が救命胴衣の重要性や応急手当ての方法などを専門家から学びました。
ことし3月、亀岡市の通称、保津川で、観光客25人と船頭4人の合わせて29人が乗った川下りの舟1そうが岩にぶつかって転覆し、一時、全員が川に投げ出されて船頭の男性2人が死亡し、川下りは今も休止されています。
運航会社は6月、再発防止策を公表し、20日はその一環として水難事故に詳しい水難学会会長の斎藤秀俊さんを講師に研修会を開き、船頭およそ100人が参加しました。
この中で斎藤さんは「川の事故で乗客や乗員が生き残れるかどうかは、どれだけ周到に準備・訓練したかによる」と心構えを説きました。
そのうえで、▼転覆の際、安全に岸へ避難させるには乗客が浮いていることが前提で、そのためには救命胴衣の身に付け方や使い方を正しく伝えることが必要だと強調しました。
また、▼応急手当ての中では体を保温することが最も重要だと説明し、船頭たちは真剣な表情で聞いていました。
参加した40代の男性の船頭は「まずは救命胴衣の適切な使い方をお客様にしっかり説明しなければいけないと感じました。船頭全員が安全を第一に考えていきたい」と話していました。
船頭たちは今週、実際に水辺で救助訓練を行うほか、胸骨圧迫などの救命処置についても学び、会社ではこうした研修を繰り返して、再開に備えることにしています。