京都 上賀茂神社 平安時代から続く“賀茂競馬”

京都の世界遺産、上賀茂神社で、平安時代から続く、馬に速さを競わせて五穀豊じょうなどを祈る神事、「賀茂競馬(かもくらべうま)」が行われました。

「賀茂競馬」は、毎年5月5日の端午の節句に行われる神事で、平安時代に宮中で馬を競わせて五穀豊じょうなどを願ったのが始まりとされています。
この神事はかつては御所で天皇の前で行われていましたが、平安時代に現在の京都市北区の上賀茂神社で行われるようになり、ことしで930年を迎えました。
去年、3年ぶりに開催された際には新型コロナの感染防止ため観客席の人数制限を設けていましたが、ことしは制限をなくし、およそ3000人が集まりました。
神社の境内には150メートルほどの直線の馬場が設けられ、10頭の馬が2頭ずつに分かれて速さを競いました。
それぞれ馬には平安時代の衣装をまとった「乗尻」と呼ばれる騎手が乗り、前方から走り出した馬に後ろの馬がどれだけ差を詰められたかで勝敗を決めます。
騎手の勇ましいかけ声とともに馬がひづめを鳴らして駆け出すと、訪れた人たちは拍手を送ったり、勇壮な姿を写真におさめたりしていました。
東京から訪れた小学5年の男の子は、「馬の筋肉や走りの激しさに迫力を感じ、馬を手なずけている乗尻さんたちもすごいと思いました」と話していました。