「時代祭行列」めぐる裁判“今後自治会費支出しない”和解成立

信教の自由に反するとして、京都三大祭のひとつで、平安神宮が行う「時代祭」の呼び物「時代祭行列」に自治会費を支出しないよう京都市の男性が訴えた裁判で、自治会側が、今後、行列に関する費用を支出しないとすることで和解が成立しました。

毎年10月に行われている「時代祭」は、平安から明治まで、時代を象徴する衣装をまとったおよそ2000人が都大路を練り歩く「時代祭行列」が呼び物です。
行列にかかる費用は、自治連合会が主体となって寄付や自治会費などで工面していますが、これについて、京都市下京区の伊藤要さんは「祭りは平安神宮の祭礼であり、自治会費の支出は憲法が保障する信教の自由に反する」として、所属する植柳自治連合会に対して自治会費を支出しないよう求める訴えを京都地方裁判所に起こしていました。
伊藤さんと代理人の弁護士は、22日、京都市内で会見を開き、自治会側が今後、行列やその他の宗教行事に関する費用を支出しないとすることなどで和解が成立したことを明らかにしました。
伊藤さんは「そもそも、祭りは自治会が丸抱えで行うものではない。今回の裁判を、祭りそのものをどう維持していくか考えるきっかけにしてほしい」と話していました。
植柳自治連合会の代理人の弁護士は「信教の自由を侵害することがないよう、今回の対応を決めた」と話しています。