列車の立往生 JR西日本 運用見直しを検討へ 利用者からは
大雪でJR西日本の列車が立往生し、多くの乗客が車内に閉じ込められた問題についてです。
JR西日本は、線路のポイントの雪をとかす装置を作動させなかった判断など、一連の対応を検証した上で、運用の見直しを検討することにしています。
大雪となった24日夜、JR京都線や琵琶湖線の複数の地点で線路のポイントの切り替えができなくなり、15本の列車が立往生した結果、一時、およそ7000人が車内に閉じ込められ、16人が体調不良を訴えて救急搬送されました。
JR西日本は予想降雪量をもとに、線路のポイントの雪をとかす装置を作動させなかったことでポイントに雪が挟まるなどして切り替えができなくなり、立往生につながったことを明らかにしました。
さらに、乗客が列車内に長時間閉じ込められたことについては、乗客を駅で降ろすためにポイントの復旧作業を優先させたためと釈明しました。
今回の事態を踏まえて、JR西日本は、大雪が見込まれる中での運行のあり方に加えて、▼ポイントの雪をとかす装置を稼働させないとした判断や、▼ポイントの復旧作業を優先させた対応が適切だったかを検証した上で、運用の見直しを検討することにしています。
【利用者の声は】
大雪の影響で24日夜、列車が動かなくなり、周辺に多くの人が滞留した京都市のJR山科駅では、26日朝、JRに対策を求める声やみずからも備えを進めたいといった声が聞かれました。
大雪の影響で24日から25日にかけて、関西ではJRの多くの路線が運転を見合わせたほか、一時、列車が動かなくなって立往生し、多くの人が帰宅できずに駅周辺に滞留しました。
25日から京都線や湖西線などで運転が再開されていますが、京都市山科区のJR山科駅では、26日朝も雪の影響などでダイヤが乱れる中、通勤や通学に向かう人の姿がみられました。
京都市山科区に住む60代の派遣社員の男性は、「きのうの大雪で身動きが取れず、仕事は休みになりました。長時間、車両に人が閉じ込められたこともあり、JRには最悪の事態を想定してほしかったです。自治体にも迅速に対応してほしかったです」と話していました。
また、山科区の40代の女性は、「息子が大学受験できのうは試験がありました。京都はあまり雪が降らないので不安でした。食料を買いに行っても雪の影響であまりなく、前もって用意することが必要だと思いました」と話していました。
【運輸局 JR西日本を指導】
大雪の影響によりJR京都線や琵琶湖線で列車が立往生して多くの乗客が車内に閉じ込められた問題で、近畿運輸局は、JR西日本に対して原因究明や再発防止を求めて指導しました。
JR西日本では、大雪となった24日の夜、京都線や琵琶湖線の複数の地点で線路のポイントの切り替えができなくなり、15本の列車が立往生した結果、一時、およそ7000人が車内に閉じ込められ、16人が体調不良を訴えて救急搬送されました。
この問題を受けて、近畿運輸局は25日、JR西日本に対して、今回の一連の対応を検証した上で、原因究明を行うとともに再発防止に必要な措置を講じるよう文書で指導しました。
また、運輸局への報告も遅れたとして、情報共有についても検証を求めたということです。
近畿運輸局は「長時間にわたり多数の列車が停車して体調不良の方が出るなど、利用者に多大な迷惑を及ぼしたことは誠に遺憾」としています。
今回の事態を踏まえて、JR西日本は、列車の立往生の原因となったポイントの雪をとかす装置を稼働させなかった対応などを独自に検証した上で、運用の見直しを検討する考えを示しています。