京都市の女性 二重国籍認めない日本の国籍法は違憲と提訴

二重国籍を認めない日本の国籍法は憲法に違反するとして、15年前にカナダ国籍を取得し、現在は京都市に住む大学教授の女性が、日本国籍があることの確認などを求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、カナダ国籍を取得したあと現在は京都市に住む50代の大学教授の女性で、21日、大阪地方裁判所に提訴しました。
訴状などによりますと、女性は、日本で生まれ34歳の時にアメリカに留学したあと結婚してカナダに移り住み、15年前にカナダ国籍を取得しました。
親の介護のため4年前に帰国し、本籍地の東京・世田谷区で国籍喪失届を提出し永住権を申請しようとしましたが、カナダ政府が発行した書類に不備があるとして受理されず、特例として、日本国籍があるものとして国内に滞在することになったということです。
しかし、今は日本のパスポートの発給は受けられず、カナダのパスポートで出国した場合、5年間は日本に戻れない措置を受ける可能性があるということです。
日本の国籍法は二重国籍を認めておらず、女性は、国籍法の規定が国籍離脱の自由などを保障した憲法に違反するなどとして、国に対して、日本国籍があることの確認や、パスポートの発給などを求めています。
女性は、「希望して外国籍を取得したと言われるかもしれないが、海外から持ち帰れる知見もある。日本は複数国籍の人を認めないことで何を得るのかと疑問に思う」と話しています。

女性が訴えを起こしたことについて、法務省は、「訴状が届いておらず、訴えの内容が把握できていないため、コメントできない」としています。