ALS嘱託殺人と父親殺害の罪 元医師の裁判長期化の見通し

難病のALSの患者から依頼を受けて殺害した罪と父親を殺害した罪で起訴された元医師について、京都地方裁判所は2つの事件の裁判のうち、まず父親の殺人事件を先行させて来年1月から審理することを決めたことがわかりました。
一方で嘱託殺人事件の裁判日程は決まっておらず、事件が明らかになってから2年あまりがたつなか、裁判はさらに長期化する見通しです。

この事件は、3年前、医師2人が難病のALSを患う京都市の女性から依頼を受け薬物を投与して殺害したとして、嘱託殺人の罪で起訴されたものです。
2人は、一方の父親を11年前に殺害したとして殺人の罪でも起訴されていますが、京都地方裁判所によりますと、このうち元医師の山本直樹被告(45)について2つの事件の裁判を別々に開く決定をしたということです。
裁判所ではまず山本被告がみずからの父親を殺害した罪について、裁判員裁判で審理し、▼初公判は来年1月12日、▼判決を来年2月7日とする予定です。
一連の事件で被告の裁判日程が決まったのは初めてです。
一方で、嘱託殺人の罪については、事前に争点や証拠を整理する手続きが進められていて、裁判日程はまだ決まっていないということです。
事件が明らかになってから2年あまりがたつなか、裁判はさらに長期化する見通しです。