京丹後の遺跡から平安〜鎌倉時代の館跡発見 荘官の館か

発掘調査が進められている京丹後市の遺跡から、平安時代から鎌倉時代の館の跡が見つかりました。
調査した担当者は、荘園を管理した荘官の館と考えられるとしていて、この地域に有力者がいたことを示す貴重な発見だとしています。

京都府は、国道の整備に伴って、京丹後市峰山町の佐屋利遺跡の発掘調査を去年(令和3年)から進めています。
去年は弥生時代や古墳時代の遺構などが見つかりましたが、ことしに入って、平安時代から鎌倉時代の館の跡が見つかりました。
調査にあたっている京都府埋蔵文化財調査研究センターによりますと、この館には荘園を管理していた荘官が住んでいたと考えられ、▼館の柱が立っていたとみられる穴が多数確認されたほか、▼この時代では珍しいとされる石組みの井戸も発掘されたということです。
また、地元の土器に加えて、中国で作られた直径およそ14センチの白磁の皿のほか、中国の銭貨も40枚ほど見つかったということです。
京都府埋蔵文化財調査研究センターの面将道 調査員は「丹後地域で館の跡と考えられるものが見つかったのは初めてで、この地域に有力者がいたことを示す重要な発見だ。丹後地域は文献史料が乏しいので、当時の社会の解明につながれば」と話していました。