「時代祭行列」めぐる裁判 “自治会費支出しない” 和解成立
信教の自由に反するとして、京都三大祭のひとつで、平安神宮が行う「時代祭」の呼びもの、「時代祭行列」に自治会費を支出しないよう京都市の男性が求めていた裁判をめぐり、ことしの行列については支出しないことで和解が成立したことがわかりました。
ただ、裁判は今後も続き、支出の正当性が争われるということです。
毎年10月に行われている「時代祭」は、平安から明治まで、時代を象徴する衣裳をまとった、およそ2000人が都大路を練り歩く「時代祭行列」が呼びものです。
行列は自治会の連合会が主体となり、寄付や自治会費で費用を工面していますが、これについて京都市下京区の自治会に所属する伊藤要さんが「祭りは平安神宮の祭礼であり、自治会費の支出は憲法が保障する信教の自由に反する」として、支出しないよう求める民事裁判を起こしていました。
この裁判と同時に、伊藤さんは、自治会に支出の停止を求める仮処分の申し立ても行っていて、ことしの行列については支出しないことで和解が成立したことを29日明らかにしました。
自治会側の弁護士によりますと、予算を精査した結果、自治会費の支出がなくても収支があうめどがつき、和解に応じたということです。
ただ自治会側は、「ほかの地域でも自治会費から支出しているケースがあり、市民のお祭りである時代祭への支出は認められるべきだ」として、今後も裁判で支出の正当性を争うということです。