本庶さん 特許契約不服で会見

新しいがん治療薬の開発につながる研究でノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑さんが10日、会見を開き、がん治療薬について製薬会社と結んだ契約で特許料の配分が大幅に低く抑えられているなどと訴えました。
本庶さん側は契約を結ぶ際の会社側の説明が不正確だったとしていて、製薬会社は「会見の全容を把握できていないので、コメントは差し控える」としています。

京都大学の本庶佑さんは、大阪の製薬会社、小野薬品工業との間で平成18年に特許料の支払いについての契約を結んでいます。
この契約について本庶さんや弁護士らが10日、京都大学で会見を開きました。
会見で本庶さんは特許料をめぐって会社側と結んだ契約で本庶さん側の配分が同様の特許と比べて大幅に低い割合に抑えられていると主張しました。
さらに、発見した物質をほかの製薬会社が活用した場合などに得られる特許料について十分な説明がないまま、低い割合で契約書に盛り込まれていたということです。
8年前から配分の見直しについて交渉を続けているものの、去年秋から交渉が途絶えているとしています。
弁護士は、本庶さんへの配分は本来なら1000億円に達してもおかしくないと主張していますが、いまの契約で計算するとおよそ26億円で、本庶さんは受け取っていないということです。
本庶さんは、特許料を若手研究者を支援するための基金に寄付するとしていて、「公正な企業と大学の連携で得た利益で若い研究者を育て、新たな発見を目指すという循環モデルをつくらないと日本の生命科学はだめになる」と主張しました。
一方、小野薬品工業はこれまでのNHKの取材に対し、「契約は双方が納得したうえで締結されました。その後、誠意を持って交渉に応じてまいりましたが、契約とのかい離が大きく、話し合いが継続している状況です」とコメントしていて、今回の会見については「会見の全容を把握できていないので、コメントは差し控えさせていただきます」としています。